ごく浅い眠りを続けていると、微かな物音で目が覚めた。

眠れなかったことを悲しむ気持ちはなく、今眠れなくても時間が過ぎれば、あるいは状況が変われば眠れる。そんなものだと思うようになった。

それからは眠れない時間をどう過ごすか考えるようになった。

さしあたり必要なものは時間を埋める何かだが、ひとつはもう手に入った。自分だけが知っている楽しみにしておきたいので、ここでは言わずにいようと思う。

 

 

話は変わって、夜のはなし。

4月も半ばになり日中の日差しは強くなる一方だが、夜はまだまだ涼しい。

ベランダでぼーっとするにはちょうどいい冷たい風が通り抜ける。仮に自分だけの庭付き一軒家があったとして、そこで同じように涼めたら最高だな~と妄想する。

平和で楽しい静かな妄想。

 

この妄想で思い出した漫画作品がある。

プリンセスメゾン」という題名で、主人公の女の子が20代のうちに(20代だったかな)ひとりでマンションを購入するおはなし。

まずはひとりで生きられるようにと固い意思を持って仕事をこなし、節約し、物件の内覧は隅々までチェックする。

読みながら、主人公がひとりで潰れてしまわないか心配でならなかったけど、冷静にいろんなことを乗り越えていく姿を見るに付けて尊敬するばかりになった。

未完の作品なのでこれからのおはなしが楽しみ。

主人公に幸あれ。

 

私も今はひとりで生活をしている。あらゆる制度に属し守られながら。

これからのことは何も考えていないけど、私は私の心地よい暮らしを続けていきたい。プリンセスメゾンの主人公みたいに。

少しずつ自分をわかっていくこともひとつの楽しみになるかもしれない。ならないかもしれないけどそれほど残念じゃない。

どうでもいいか。

どうでもいいな。

疲れたな。